猫が夜中に運動会を始めたり、いたずらをしたりして眠れない経験はありませんか。そんな悩みを抱える飼い主の中には、夜だけケージで猫を寝かせることを検討している方も多いでしょう。
しかし「ケージに入れるのはかわいそう」「ストレスにならないか心配」と不安に感じる方もいるかもしれません。実は、適切な環境と方法であれば、夜だけケージで寝かせることは猫にとっても飼い主にとってもメリットがあります。
本記事では、猫を夜だけケージで寝かせることのメリット・デメリット、正しい方法を解説します。

猫を夜だけケージで寝かせるのは問題ない?

結論から言えば、適切な環境を整えれば問題ありません。ケージは猫にとって安心できる自分だけの空間となり、夜間の事故やいたずらを防ぐ効果もあります。
獣医師の中にも、子猫の安全確保や多頭飼いでのトラブル防止のために夜間のケージ使用を推奨する専門家がいます。重要なのは、日中は十分に運動させてケージ外で自由に過ごさせること、そしてケージ内に水やトイレ、快適な寝床を用意することです。
これらの条件を満たせば、夜だけケージで寝かせることは虐待ではなく、むしろ猫の安全と飼い主の生活の質を両立させる賢い選択といえるでしょう。
猫を夜だけケージで寝かせるメリット
猫を夜だけケージで寝かせることには、飼い主と猫の両方にとってメリットがあります。
ここでは、猫を夜だけケージで寝かせるメリットを解説します。
- 飼い主の睡眠の質が向上する
夜中の猫の活動を気にせずぐっすり眠れるようになる - 夜間のいたずらや事故を防げる
誤飲や高所からの転落など危険な事故のリスクを減らせる - 分離不安の軽減につながる
飼い主がいない状況への耐性がつく
飼い主の睡眠の質が向上する
猫を飼っている方の多くが悩まされるのが、深夜の運動会や早朝の鳴き声です。夜中に突然走り回ったり、明け方にお腹が空いて鳴き続けたりして、睡眠を妨げられる経験は少なくありません。
睡眠不足が続くと、仕事や家事に支障をきたすだけでなく、健康面でも悪影響が出てきます。疲労が蓄積すると、イライラしやすくなったり、愛猫に対して優しく接する余裕がなくなったりすることも。
夜間にケージを使うことで、こうした問題から解放されます。猫が静かに寝ている間、飼い主もぐっすり眠れるようになり、翌朝すっきりと目覚められるでしょう。
十分な睡眠が取れることで心身ともに余裕が生まれ、日中は愛猫とたっぷり遊んだり、スキンシップを取ったりする時間も作りやすくなります。
夜間のいたずらや事故を防げる
夜間に猫をケージで寝かせることで、思わぬいたずらや事故を防ぐことができます。猫は夜行性の習性があり、飼い主が眠っている間も活発に動き回る傾向があります。
- 棚の上の物を落として割る
- 電気コードを噛んで感電する
- 観葉植物を食べて中毒を起こす
- 輪ゴムや糸くずなどを誤飲する
- キャットタワーやカーテンレールから転落する
特に危険なのが誤飲と転落であり、命に関わる事故につながるケースも少なくありません。
飼い主が寝ている時間帯は異変に気づけず、発見が遅れて取り返しのつかない事態になることもあるため注意が必要です。ケージで過ごさせれば、こうした危険から猫を守ることができるため、特に好奇心が強い子猫や若い猫には効果的な対策といえます。
分離不安の軽減につながる
夜間ケージで過ごす習慣をつけることで、猫の自立心が育ちます。いつも飼い主にべったりの状態だと、留守番のときに強い不安を感じてしまう猫も少なくありません。
毎晩一人で過ごす時間を作ることで、「飼い主がいなくても平気」という感覚が自然と身についていきます。子猫のうちから始めれば、さらに効果的です。
分離不安がある猫は、飼い主の外出時に大声で鳴き続けたり、トイレ以外の場所で粗相をしたりすることも。夜だけケージで寝かせる習慣があれば、こうした問題を防ぎやすくなります。
猫を夜だけケージで寝かせるデメリット
夜間のケージ飼育にはメリットがある一方で、注意すべきデメリットも存在します。特に今まで自由に過ごしていた猫にとって、急な環境の変化は大きな負担になりかねません。
ここでは、猫を夜だけケージで寝かせるデメリットを解説します。
- 慣れるまでストレスを感じる
突然の環境変化に戸惑う可能性がある - 運動不足になる可能性がある
夜間の活動が制限されて十分な運動量を確保できない - 夜鳴きが増えることがある
ケージへの不満から激しく鳴き続けるケースもある
慣れるまでストレスを感じる
今まで自由に家中を動き回っていた猫にとって、突然ケージに閉じ込められることは大きなストレスになります。特に成猫の場合、長年の習慣を変えることへの抵抗が強く、適応に時間がかかります。
ケージに入れた直後は、出してほしくて鳴き続けたり、中で暴れたりする猫も珍しくありません。扉をガチャガチャと開けようとしたり、不安そうに飼い主を見つめ続けたりする行動も見られます。
こうしたストレスが続くと、食欲不振や下痢などの体調不良を引き起こす可能性もあります。様子を注意深く観察しながら、焦らず少しずつ慣らしていく工夫をしましょう。
運動不足になる可能性がある
ケージ内は限られたスペースしかないため、夜間に十分な運動ができません。猫は本来、夜明けや夕暮れ時に活発に動く習性を持っており、夜の時間帯も走り回ったりジャンプしたりして体を動かします。
毎晩ケージで過ごすことで、この自然な運動欲求が満たされず、慢性的な運動不足に陥るリスクがあります。特に若くて元気な猫や、日中も留守番で活動量が少ない猫は注意が必要です。
運動不足が続くと肥満や筋力低下を招き、関節に負担がかかってしまいます。ストレスが溜まって攻撃的になったり、便秘などの体調不良を起こしたりすることも珍しくありません。
ケージを使うなら、日中にたっぷり遊ぶ時間を作って運動量を補ってあげましょう。
夜鳴きが増えることがある
ケージに入れられることへの不満や不安から、激しく鳴き続ける猫も少なくありません。特にケージ導入直後は、自由を制限されたことに抵抗して、何時間も鳴き続けるケースがあります。
深夜や早朝に大声で鳴かれると、飼い主の睡眠が妨げられるだけでなく、集合住宅では近隣トラブルの原因にもなりかねません。せっかく飼い主の睡眠の質を上げるためにケージを導入したのに、かえって夜鳴きで眠れなくなっては本末転倒です。
鳴き声に根負けして途中でケージから出してしまうと、「鳴けば出してもらえる」と学習してしまい、さらに夜鳴きが悪化する悪循環に陥ります。根気強く慣らしていく必要がありますが、あまりにも鳴き続ける場合は、ケージ飼育が愛猫に合っていない可能性も考えましょう。
猫を夜だけケージで寝かせる際の注意点

夜間にケージを使う場合、いくつか守るべきポイントがあります。間違った使い方をすると、猫の健康を害したり、かえってストレスを増やしたりする原因になりかねません。
ここでは、猫を夜だけケージで寝かせる際の注意点を解説します。
- 長時間の閉じ込めは避ける
日中は自由に過ごせる時間を確保する - 温度管理に気を付ける
ケージ内が暑すぎたり寒すぎたりしないよう室温を調整する - 水とトイレは必ず設置する
いつでも水が飲めてトイレが使える環境にする
長時間の閉じ込めは避ける
夜間のケージ飼育は、あくまで夜寝る時間帯だけに限定することが大切です。朝起きたらすぐにケージから出してあげて、日中は自由に過ごせる時間をたっぷり確保しましょう。
長時間閉じ込めたままにすると、猫の心身に負担がかかります。運動不足やストレスが蓄積し、問題行動や体調不良を引き起こす原因になりかねません。
また、休日など飼い主が家にいる時間が長い日は、夜間もケージを使わない選択肢もあります。猫の様子を見ながら柔軟に対応することで、ケージへのストレスを最小限に抑えられます。
ケージはあくまで補助的な手段として、愛猫の生活の質を第一に考えましょう。
温度管理に気を付ける
ケージ内は空気の流れが悪くなりやすく、室温以上に暑くなったり寒くなったりする可能性があります。特に夏場は熱がこもりやすく、熱中症のリスクが高まるため注意が必要です。
冬場も同様に、ケージを置く場所によっては冷気が溜まって体が冷えてしまいます。窓際や玄関近くなど、外気の影響を受けやすい場所は避けましょう。
快適な室温の目安は、以下の通りです。
- 夏:エアコンで26度前後
- 冬:暖房で20度以上
ケージ内にペット用のひんやりマットや湯たんぽを入れるのも効果的です。ただし、電気毛布やヒーターは、コードをかじる危険性があるため使用を控えましょう。
水とトイレは必ず設置する
夜間は6時間から8時間ほどケージで過ごすことになるため、水とトイレは必ず設置しましょう。水が飲めない状態が続くと脱水症状を起こし、特に夏場は命に関わる危険性もあります。
水入れは倒れにくいタイプを選び、こぼれても大丈夫なように複数設置しておくと安心です。給水ボトルタイプなら場所も取らず、衛生的に保てます。
トイレについても、排泄を我慢させると膀胱炎や尿路結石などの病気につながるリスクがあります。ケージのサイズに合った小さめのトイレを選び、清潔な状態を保ちましょう。
猫を夜だけケージで寝かせると夜鳴きがうるさい場合の対処法
ケージに入れると夜鳴きが激しくなって困っている飼い主も少なくありません。しかし、適切な対処をすれば、多くの場合は夜鳴きを減らすことが可能です。
ここでは、猫を夜だけケージで寝かせると夜鳴きがうるさい場合の対処法を解説します。
- 日中の運動量を増やす
たっぷり遊んで疲れさせることで夜は静かに眠るようになる - ケージ内を快適にする
居心地の良い環境を整えて不安やストレスを軽減させる - 無視して慣れさせる
鳴いても反応しないことで「鳴いても無駄」と学習させる
日中の運動量を増やす
夜鳴きの原因のひとつは、エネルギーが余っていることです。日中に十分な運動ができていないと、夜になっても体力が有り余って眠れず、ケージ内で鳴き続けてしまいます。
効果的な運動方法は、以下の通りです。
- おもちゃで遊ぶ
- キャットタワーを設置する
- キャットウォークを活用する
特に夕方から夜にかけての時間帯に、しっかり体を動かす遊びをすると効果的です。猫が息を切らすくらいまで走らせたり、ジャンプさせたりして、体力を使い切らせましょう。
運動後はごはんを与えて、満腹になった状態でケージに入れると、より眠りやすくなります。
ケージ内を快適にする
ケージ内の環境が悪いと、不安やストレスから夜鳴きが増えてしまいます。居心地の良い空間を作ることで、猫が安心して眠れるようになり、鳴き声も自然と減っていきます。
快適なケージにするためのポイントは、以下の通りです。
- 柔らかい寝床を用意する
- 暗くする
- 飼い主の匂いがするものを入れる
- 適切なサイズを選ぶ
また、ケージの置き場所も重要です。人通りが多い場所や騒がしい場所は避け、静かで落ち着ける場所に設置しましょう。温度管理にも気を配り、快適に過ごせる環境を整えてあげてください。
無視して慣れさせる
夜鳴きに反応してケージから出してしまうと、「鳴けば出してもらえる」と学習してしまい、かえって鳴き声が悪化します。心を鬼にして、鳴いても一切反応しない姿勢を貫きましょう。
最初の数日は鳴き声が激しくなることもありますが、これは「今までの方法が通じない」と焦っているサインです。根負けせず無視を続ければ、徐々に「鳴いても無駄」と理解して静かになっていきます。
ただし、必ずしも無視することが善しとは限りません。猫にとってストレスとなる可能性があるため、鳴き声がひどい場合は、別の方法を検討するなどの対策も考えましょう。
まとめ

猫を夜だけケージで寝かせることには、飼い主の睡眠の質向上や夜間の事故防止、分離不安の軽減といったメリットがあります。
一方で、慣れるまでのストレスや運動不足、夜鳴きの増加などのデメリットも存在するため、愛猫の性格や生活環境に合わせた判断が必要です。
また、長時間の閉じ込めを避け、温度管理や水・トイレの設置といった基本的な注意点を守りましょう。
夜鳴きが続く場合は、日中の運動量を増やしたり、ケージ内を快適にしたりする工夫が効果的です。焦らずゆっくりと慣らしていくことで、飼い主も猫も快適に過ごせる生活を実現できます。

